そもそもカタカナで書くと同じになるけど、お店の名前が、公園にあるジャングルジム(Jungle Gym)ではなくて、
Jungle Jimであるという点にまずは注目しておこう。
実は、この"Jungle Jim"は創業者であり、今もバリバリ現役の社長 "Jim Bonaminio"氏のあだ名なのである。
このあだ名の由来は、今から20年以上も前にさかのぼる。
彼が仕事を終えて、取引先の冷蔵倉庫から出てきたとき、彼は、白い冷気に包まれていた。
それを見た取引先の娘が、パパに 「ねぇ。あのおじさんは誰?」
と聞いたとき、まるで彼が熱帯雨林の蒸気に包まれてるように見えたのだろう。
とっさにパパは「彼がジャングルジムだよ。」と教えた。というのが由来らしい。
このJim Bonaminio氏はもともとはクリーブランド生まれ。
若い頃は商品の陳列棚をつくって路上販売をしていたらしい。 1974年に現在の場所に土地を買い小さなフルーツスタンドをオープンした。
その後店は順調に大きくなり、1988年からは International Farmers Marketとして多国籍の商品を
扱うようになった。
今では4エーカーの広大な敷地の巨大スーパーになった。とはいえ、チェーン店ではないので、ここ一カ所だけ。
ジャングルジムはI-275の更に北側に位置している。普通の行き方は、I-275 Exit 41で降りて4号線北上する方法。
この方法が一番簡単で、確実だが、結構4号線は渋滞しているので、以下の抜け道がお薦め。
- I-275 Exit 39 (Forest Mall)を北に降りて S.Gilmore Rd.をひたすら北に行く。道なりに走ると
4号線と合流するので、それを左折したらすぐ。
- West ChesterやTri Countyから行くなら747線経由で Port Union RDを西に走ると早い。
信号もほとんどなく、道なりにN.Gilmore Rd.経由でJungle Jim'sの裏から入れる。
このJungle Jim's では60ヶ国からの100,000を越えるアイテムが売られている。Haruも毎週通っているけど
行くたびに面白い物が見つかるので、退屈することはない。
おそらく 社長 Jimがいろんなものを作るのが好きな性格だからだろうけど、
この店にはお客さんを楽しませる(または呆然とさせる)数々の作品(?)が展示してある。
4号線から入った場合、まず入り口の"ES CARS GO"カタツムリに大きく腰がはずれる。
要は駐車場への案内板なのだが、やる気のないカタツムリの像を(しかも2つ)前にして、
ここが普通の食料品店ではないことを否応なしに思い知らされる。
そして入り口は...
いきなり等身大の象、ペリカン、キリン、チンパンジーの模型が出迎えてくれる。ちゃんと
象の鼻からは定期的に水が噴き出すつくりだ。 入り口右手には園芸コーナー&工芸品コーナーがある。
店内に入ると、左手には1974年の創業当時のジャングルジムを再現したエリアがある。その前には謎のロブスターの置物「カニじゃないって聞いてくれ〜」チェアー(写真左側)が置いてある。
向かいには銀行と寿司カウンターがあり、フランチャイズから派遣されたアジア系の店員が寿司を握っている。
味はまあ、他のスーパーと同じレベルってところだが、寿司コーナーの頭上には何故か、中華麺を打つ東洋人の写真が展示してある(笑)。
しかしこの先のチーズコーナーは侮れない。以前から100種類ものチーズの品揃えを誇っていたジャングルジムだが、今回の改装でなんと1600種類のチーズを取り扱うようになった。
この奥はお待ちかねのリカーコーナー。 6000種類のワインの品揃え(1ドルから600ドルまで)はワイン専門店を差し置いて、シンシナティ2002年のベストワインセラーに選ばれただけのことはある。
また800種類のビールに、ハードリカー(アルコール分の高い酒類)も充実していて、バーボンやジンなども買うことができる。 ただ日本酒、焼酎類は、残念ながらアメリカで普通に見かけるレベルの品揃えで、シカゴのミツワはもちろん、ニューポートのParty Sourseにも劣る。
この奥には"Cooking School"があって、週何回か料理教室が開かれている。
ここからは精肉コーナー。普通の肉の鮮度は一般のスーパーと同じ程度。 ただカンガルー、ダチョウ、ワニ、シカ肉およびイノシシなどの
かわり種は充実している。 (ダチョウの卵が一個丸ごと売ってる。卵焼きがどれくらいできるのだろうか?)
また内臓系も充実していて、牛豚鶏レバーに、砂ズリ、心臓、腸、豚足、豚耳などがあって、
ホルモン焼きがいくらでもできそう。Haruはここで鶏レバーを買って時々「しぐれ煮」などを作ったりする。
また精肉コーナーにはアーミッシュをイメージした幌馬車とその家族が(もちろん実物大)ぶら下がっている。
次は野菜コーナー。 定番野菜に加えて、オーガニック野菜や、アジア産の梨や柿なんかも売っている。
ここのレタスはいつも新鮮。
そしてここで力を入れているのは蜂蜜コーナーらしい。 (写真左)
甘い物を食べないHaruにはよくわからんが、100種類の蜂蜜が並ぶ。外国産や各州ごとの蜂蜜が
きちんと整理されて売られていて、見てるだけでも楽しい。
またこの野菜コーナーは他のお店と同じように定期的でスプリンクラーで水を撒くのだが、水が出る前に
サンダーストームの音がなるような仕掛けになってる。なかなか芸が細かい。(笑)
野菜コーナーの奥には"International野菜コーナー"がある。 白菜、大根、山芋、ニラ、茄子など
おなじみのものから、アロエやドリアンなども売っている。(ちなみにドリアン、味は高級ブランデー入りの
カスタードクリームのような濃厚なおいしさなんだけど、臭いが「ウ○コ」なんだよなぁ。本当に)。
この横には鮮魚コーナーがある。このコーナーの上には40フィートのボートが展示してあり、
その上に"Cerial Bowl Band"が待ちかまえてる。(写真左)
もちろんちゃんと動くし、定期的にPOPな曲を演奏してくれるので、
いつも子供が楽しそうに見上げている。
このボートの裏側が、切り身の魚売場。そしてその横が一匹物の売場。ここで買うと、お兄さんが
えらいおおざっぱにさばいてくれる。
ここの魚は卵を持ってることがよくあるので、Haruはそのまま買うけど、(彼らはきっと卵と内臓の
違いを気にせずに豪快に捨てるんだもん)内蔵を取って欲しい時は "Clean it"か"
Stomach out"と言おう。
鱗を取ってもらうときは "Scale it"、頭を落とすなら"Head off"とお願いしよう。
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ここから奥のエリアは各国ごとの売場が広がる。
日本、中国、台湾、韓国、タイ、インドネシア、インド、コーシヤー(ユダヤ教食)、ケジャン&クレオール(ニューオリンズ)、
TEX-MEX(テキサス&メキシコ)、中南米、イタリア、ギリシャ、イギリス、フランス、トルコ、スペイン、スイス、ロシア、ドイツ、スカンジナビア諸国、旧東欧諸国にアフリカ、ムスリム食まで、
広大な売場に整然と(いや時々間違ってるけど)売られている。
これらの売場では、様々な言葉か飛び交い、シンシナティにこんなに外国人がいたのか。と驚かされる。
そして、これら売場の一番奥には、Jungle Jim'sの歴史を紹介したビデオルームがある。
勝手に入って観ていいんだけど、やってないときは店員さんに頼むと再生してくれる。 このビデオの中では
1975年にお店を開いた当初の映像や、その後の変化なんかが紹介されてる。
そして最後に買い物を済ませてレジの前に行くと、ライオンのエルビスがロカビリーを歌っている。
(最初から2番目の写真ね)。
お店の出口には、巨大なフルーツが配置されていて、最後まで気の抜けない芸の細かさである。
あと団体でジャングルジムツアーを申し込むと社長自らガイドを引き受けてくれる。 でもどうやって
申し込むのかは不明。
現在Jungle Jim'sは2004年完成予定のフードモールの建設作業が始まっていて、完成するとレストランやカフェ、ホテルなどもできるらしい。
このモール内を、現在建物の後ろに放置してある「モノレール」が連絡するらしい。(キングスアイランドから買った中古品らしい)(詳細記事)
これからもますますアヤシクなっていきそうなJungle Jim'sである。